UNIXコマンド「ping」とそのオプションの使い方についてまとめました。
【はじめに】pingコマンドとは
pingコマンドは、ネットワーク上にあるパソコンやルーターに対して信号(パケット)を送り、正しく届いて返答が行われるかを確認するための機能です。
(pingテスト、ping試験などと言われたりもします)
これを使うことで、ネットワークトラブル時に物理的に原因があるのかどうかがわかります。
【pingコマンド】オプション
pingコマンドは通常「ping + 宛先IPアドレス」で実行しますが、この後にオプションの値を変えてやることで、ping試験の設定を変更できます。
以下のようにオプションを追加することで、設定を変更してping試験することができます。
ping[ -t][ -a][ -n 試行回数][ -l パケットサイズ][ -f][ -i TTL][ -v TOS][ -r ルータ個数][ -s ルータ個数][[ -j ゲートウェイリスト]|[ -k ゲートウェイリスト]][ -w タイムアウト時間] 確認したい対象のIPアドレス、もしくはホスト名
オプション | 説明 |
---|---|
-L | マルチキャストのループ制限を実行 |
-R | tracerouteのように途中で経過するルータの情報も復路も含めて取得できます。(最大9個) ●【ping -r】tracerouteのように通過ルートを確認(戻りも) |
-d | パケットのSO_DEBUGオプションを指定 |
-f | Flood pingモードを指定 |
-n | 出力はIPアドレスのみ |
-q | 途中経過を非表示) |
-r | ルーティングテーブルを無視し、指定ホストに直接パケットを転送(同一の物理ネットワーク上に目的のホストがない場合はエラーを出力) |
-v | 詳細モード(通常は無視される他のICMPパケットも表示) |
-c | パケット送受信の回数(試行回数)を指定 |
-i | 送信パケットの間隔時間(デフォルトは1秒。-fオプションと同時に指定できない |
-w | コマンドの起動時間[秒]を指定 |
-p | パケットのパディング(埋め合わせ)データのパターンを指定(例:「ff」はすべてのデータを「1」で埋める) |
-s | パケットのデータ部サイズの指定(初期設定では56バイト) |
-t | パケットのTTLを指定された値に設定(値を指定しないとユーザーが中断するまで繰り返し実行) |
-I | 指定されたインターフェイス(IPアドレス or ネットワークカード名)で実行 |
【利用例】ping試験
例えば以下のようにpingを実行すると次のようなメッセージが帰ってきます。
ping google.co.jp google.co.jp [2404:6800:4004:81a::2003]に ping を送信しています 32 バイトのデータ: 2404:6800:4004:81a::2003 からの応答: 時間 =85ms 2404:6800:4004:81a::2003 からの応答: 時間 =80ms 2404:6800:4004:81a::2003 からの応答: 時間 =84ms 2404:6800:4004:81a::2003 からの応答: 時間 =100ms 2404:6800:4004:81a::2003 の ping 統計: パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、 ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒): 最小 = 80ms、最大 = 100ms、平均 = 87ms
用語 | 解説 |
---|---|
TTL(Time To Live) | IPパケットにおける「生存時間」 |
時間[ms] | パケットを送信してから受信するまでにかかった時間 |
ping試験の結果、パケットを4回送信、4回受信し、失敗は0%でm通信が成功ネしており、google.co.jpまでのネットワークが物理的に正常動作していることになり、「自身のホスト、対象ホスト、及びその間になるネットワーク機器の設定、稼働状態」に問題ないことが判断できます。
逆にいうと、pingコマンドでエラーが出れば、そのいずれかに問題があることがわかり、問題を切り分けることができます。
ネットワーク障害が発生した際に、自身のホストに近い順にネットワーク機器のIPアドレスを指定してping試験を実施していくことで、どのネットワーク機器に問題があるのか特定することができます。
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