RaspberryPi5(ラズベリーパイ5)にZabbix7.0LTSサーバーをインストールする方法について紹介します。
ラズベリーパイの環境
今回は、以下のラズベリーパイ環境にZabbix7.0LTSサーバーをインストールします。
- Raspberry Pi 5 (8GBメモリ版)
- OS:Raspberry Pi OS 12 (Bookworm)
なお、Raspberry OSのバージョンは以下で確認できます。
$ lsb_release -a No LSB modules are available. Distributor ID: Debian Description: Debian GNU/Linux 11 (bullseye) Release: 11 Codename: bullseye
Apache、PHP、MariaDBのインストール
まず、Zabbixサーバーを動かすのに必要なApache、PHP、MariaDBを導入していきます。
①Apache(Webサーバ)をインストールします。
sudo apt install apache2
②念のため、Apachが正しくインストールされたか確認します(バージョン確認)。
apache2 -v
③PHPをインストールするために、SURYのPPAリポジトリを使用します。まずは、SURY PPAを利用するためのパッケージをインストールします。
sudo apt install lsb-release apt-transport-https ca-certificates
④GPGキーファイルのダウンロードと保存を行います。
sudo wget -O /etc/apt/trusted.gpg.d/php.gpg https://packages.sury.org/php/apt.gpg
⑤SURY PPAをaptレポジトリに追加します。
echo "deb https://packages.sury.org/php/ $(lsb_release -sc) main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/php.list
⑥パッケージの更新を行います。
sudo apt upgrade sudo apt update
⑦PHP7.4をインストールします。
sudo apt install php
⑧念のため、PHPが正しくインストールされたか確認します(バージョン確認)。
php -v
⑨PHPのモジュールをインストールします。
sudo apt install php-gd php-bcmath php-xml php-mbstring php-mysql
⑩PHP設定ファイルの変更を行います。
sudo vi /etc/php/8.3/apache2/php.ini
※「8.3」というところは、インストールしたPHPのバージョンに応じて適宜変更
【1621行目 変更前】
' mbstring.language = Japanese
↓ コメントアウト解除
【1621行目 変更後】
mbstring.language = Japanese
⑪php-fpmのインストールを行います。
sudo apt install php-fpm
⑫MariaDBをインストールします。
sudo apt install mariadb-server
⑬MariaDBの初期設定を行います。
sudo mysql_secure_installation
⑭初期パスワード(rootのパスワード)を入力します。
Enter current password for root(enter for none):root
⑮unix_socket認証に切り替えます。
Switch to unix_socket authentication [Y/n] Y
⑯rootパスワードを変更します。
Change the root password?[Y/n] Y New password : 新しいパスワードを入力(任意) Re-enter new password : 新しいパスワードを入力(任意)
⑰匿名ユーザの削除を行います。
Remove anonymous users?[Y/n] Y
⑱リモートからのrootログインを非許可にします。
Disallow root login remotely?[Y/n] Y
⑲テスト用のデータベースを削除します。
Remove test database and access to it?[Y/n] Y
⑳設定内容を保存します。
Reload privilege tables now?[Y/n] Y
㉑設定したデータベースに接続できることを確認します。
mysql -u root -p Enter password: 先程設定したパスワードを入力 MariaDB[ (none) ] > quit;
Zabbixサーバーのインストール
①Zabbix公式のダウンロードサイト(https://www.zabbix.com/download)にアクセスします。
② 以下を選択すると、その下にZabbixサーバーをインストールするためのコマンドと説明が表示されます。
ZABBIX VERSION → 7.0LTS
OS DISTRIBUTION → Raspberry Pi OS
OS VERSION → 12 (Bookworm)
ZABBIX COMPONENT → Server, Frontend, Agent
DATABASE → MySQL
WEB SERVER → Apache
suコマンドでスーパーユーザーにログインし、上記で表示された内容に従って作業していきます。
③Zabbixレポジトリをインストールします。
# wget https://repo.zabbix.com/zabbix/7.0/raspbian/pool/main/z/zabbix-release/zabbix-release_7.0-2+debian12_all.deb # dpkg -i zabbix-release_7.0-2+debian12_all.deb # apt update
④Zabbixサーバーをインストールします。
# apt install zabbix-server-mysql zabbix-frontend-php zabbix-apache-conf zabbix-sql-scripts zabbix-agent
⑤データベースの初期設定を行います。
※以下を入力「’password’」はZabbix用のDBのパスワードを入れます。
mysql -uroot -p password mysql> create database zabbix character set utf8mb4 collate utf8mb4_bin; mysql> create user zabbix@localhost identified by 'password'; mysql> grant all privileges on zabbix.* to zabbix@localhost; mysql> set global log_bin_trust_function_creators = 1; mysql> quit;
⑥Schema(スキーマ)の初期設定をします。
zcat /usr/share/zabbix-sql-scripts/mysql/server.sql.gz | mysql --default-character-set=utf8mb4 -uzabbix -p zabbix
⑦Schema(スキーマ)をインポートした後、log_bin_trust_function_creators オプションを無効にします。
mysql -uroot -p password mysql> set global log_bin_trust_function_creators = 0; mysql> quit;
⑧Zabbixサーバーの設定ファイル(/etc/zabbix/zabbix_server.conf)にパスワードを追記します。
DBPassword=password
※passwordを設定したデータベースのパスワードに書き換えます。
⑨Zabbixサーバーのプロセスを再起動します。
sudo systemctl restart zabbix-server zabbix-agent apache2 sudo systemctl enable zabbix-server zabbix-agent apache2
⑩Webブラウザでhttp://localhost/zabbixにアクセスし、Zabbixサーバのログイン画面が出たら起動成功です。
他のPCのブラウザでログインする場合、「http://ラズベリーパイのIPアドレス/zabbix」にアクセスします。
Zabbixの初期設定
①初期設定画面が表示されます。languageで「japanese」にすると、日本語表示されます。
②前提条件のチェック結果が表示されます。「OK」になっていることを確認し、をクリックします。
③データベースの設定画面が表示されます。これまでに設定したデータベースのパスワードを入力し、をクリックします。
④Zabbixのサーバ名(任意の英数字)、タイムゾーン、テーマを設定し、「次のステップへ」をクリックします。
⑤設定項目の最終確認画面が表示されるので確認し、問題なければ「次のステップへ」をクリックします。
⑥「完了」ボタンをクリックするとZabbixのログイン画面が表示されます。
ユーザー名「Admin」、パスワード「zabbix」でダッシュボードにログインできます。
⑦ これでZabbixの初期設定は完了です。
【補足】グラフの文字化け対策
もしグラフ表示で文字化けが生じた場合は、以下の手順でIPAフォントを追加し、Zabbixで指定してやります。
IPAフォントをインストールします。
sudo apt install fonts-ipafont-gothic
ZabbixでIPAフォントを利用するためのシンボリックリンクを作成します。
sudo ln -s /usr/share/fonts/opentype/ipafont-gothic/ipagp.ttf /usr/share/zabbix/assets/fonts/ipagp.ttf
Zabbix設定ファイル(/usr/share/zabbix/include/defines.inc.php)を編集します。
sudo vi /usr/share/zabbix/include/defines.inc.php
【変更前】
define('ZBX_GRAPH_FONT_NAME', 'graphfont'); define('ZBX_FONT_NAME', 'graphfont');
【変更後】
define('ZBX_GRAPH_FONT_NAME', 'ipagp'); define('ZBX_FONT_NAME', 'ipagp');
関連ページ
Zabbixの使い方については以下ページにまとめています。
Ubuntuの使い方については以下ページにまとめています。
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