RaspberryPi 4(ラズベリーパイ4)にZabbix6.4サーバーをインストールする方法について紹介します。
検証環境
- ラズパイ
- Raspberry Pi 4B (8GBメモリ版)
- Raspberry Pi OS Lite 11(Blue eyes)
- Zabbix
- Version 6.4(リリースノート)
- Maria DB 10.10(リリースノートよりZabbix6.4は10.5〜10.10まで対応)
なお、Raspberry OSのバージョンは以下で確認できます。Zabbixサーバーのインストール時に必要な情報となります。
$ lsb_release -a No LSB modules are available. Distributor ID: Debian Description: Debian GNU/Linux 11 (bullseye) Release: 11 Codename: bullseye
Apache、PHP、MariaDBのインストール手順
Zabbixサーバーを動かすのに必要なApache、PHP、MariaDBの導入手順を紹介します。
①Apache(Webサーバ)をインストールします。
sudo apt install apache2
②念のため、Apachが正しくインストールされたか確認します(バージョン確認)。
apache2 -v
③PHP7.4をインストールするために、SURYのPPAリポジトリを使用します。まずは、SURY PPAを利用するためのパッケージをインストールします。
sudo apt install lsb-release apt-transport-https ca-certificates
④GPGキーファイルのダウンロードと保存を行います。
sudo wget -O /etc/apt/trusted.gpg.d/php.gpg https://packages.sury.org/php/apt.gpg
⑤SURY PPAをaptレポジトリに追加します。
echo "deb https://packages.sury.org/php/ $(lsb_release -sc) main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/php.list
⑥パッケージの更新を行います。
sudo apt upgrade sudo apt update
⑦PHP7.4をインストールします。
sudo apt install php7.4
⑧念のため、PHPが正しくインストールされたか確認します(バージョン確認)。
php -v
⑨PHPのモジュールをインストールします。
sudo apt install php7.4-gd php7.4-bcmath php7.4-xml php7.4-mbstring php7.4-mysql
⑩PHP設定ファイルの変更を行います。
sudo vi /etc/php/7.4/apache2/php.ini
【1621行目 変更前】
' mbstring.language = Japanese
↓ コメントアウト解除
【1621行目 変更後】
mbstring.language = Japanese
⑪php-fpmのインストールを行います。
sudo apt install php7.4-fpm
⑫MariaDB 10.10をインストールします。
sudo apt install mariadb-server-10.10
⑬MariaDBの初期設定を行います。
sudo mysql_secure_installation
⑭初期パスワード(rootのパスワード)を入力します。
Enter current password for root(enter for none):root
⑮unix_socket認証に切り替えます。
Switch to unix_socket authentication [Y/n] Y
⑯rootパスワードを変更します。
Change the root password?[Y/n] Y New password : 新しいパスワードを入力(任意) Re-enter new password : 新しいパスワードを入力(任意)
⑰匿名ユーザの削除を行います。
Remove anonymous users?[Y/n] Y
⑱リモートからのrootログインを非許可にします。
Disallow root login remotely?[Y/n] Y
⑲テスト用のデータベースを削除します。
Remove test database and access to it?[Y/n] Y
⑳設定内容を保存します。
Reload privilege tables now?[Y/n] Y
㉑設定したデータベースに接続できることを確認します。
mysql -u root -p Enter password: 先程設定したパスワードを入力 MariaDB[ (none) ] > quit;
Zabbixサーバーのインストール
①Zabbix公式のダウンロードサイト(https://www.zabbix.com/download)にアクセスします。
以下画面スクショは、Zabbix Version6.4をRaspberry Pi(OS Version 11)にZabbixサーバー(Server、Frontend、Agent)をインストールする場合の選択例です。
選択すると、その下にZabbixサーバーをインストールするためのコマンドと説明が出現しますので、それに従って作業していきます。
ただし、sudoが抜けていたりするで、以下に2023年10月にインストールを実施したときのコマンドを記載します。
②Zabbixレポジトリをインストールします。
sudo wget https://repo.zabbix.com/zabbix/6.4/raspbian/pool/main/z/zabbix-release/zabbix-release_6.4-1+debian11_all.deb sudo dpkg -i zabbix-release_6.4-1+debian11_all.deb sudo apt update
③Zabbixサーバーをインストールします。
sudo apt install zabbix-server-mysql zabbix-frontend-php zabbix-apache-conf zabbix-sql-scripts zabbix-agent
④データベースの初期設定を行います。
※以下を入力「’password’」はZabbix用のDBのパスワードを入れます。
sudo mysql -u root -p password mysql> create database zabbix character set utf8mb4 collate utf8mb4_bin; mysql> create user zabbix@localhost identified by 'password'; mysql> grant all privileges on zabbix.* to zabbix@localhost; mysql> set global log_bin_trust_function_creators = 1; mysql> quit;
⑤Schema(スキーマ)の初期設定をします。
sudo zcat /usr/share/zabbix-sql-scripts/mysql/server.sql.gz | mysql --default-character-set=utf8mb4 -uzabbix -p zabbix
⑥Schema(スキーマ)をインポートした後、log_bin_trust_function_creators オプションを無効にします。
sudo mysql -u root -p password mysql> set global log_bin_trust_function_creators = 0; mysql> quit;
⑦Zabbixサーバーの設定ファイル(/etc/zabbix/zabbix_server.conf)にパスワードを追記します。
DBPassword=password
※passwordを設定したデータベースのパスワードに書き換えます。
⑧Zabbixサーバーのプロセスを再起動します。
sudo systemctl restart zabbix-server zabbix-agent apache2 sudo systemctl enable zabbix-server zabbix-agent apache2
⑨Webブラウザでhttp://localhost/zabbixにアクセスし、Zabbixサーバのログイン画面が出たら起動成功です。
他のPCのブラウザでログインする場合、「http://ラズベリーパイのIPアドレス/zabbix」にアクセスします。
Zabbixの初期設定
①初期設定画面が表示されます。languageで「japanese」にすると、日本語表示されます。
②前提条件のチェック結果が表示されます。「OK」になっていることを確認し、をクリックします。
③データベースの設定画面が表示されます。これまでに設定したデータベースのパスワードを入力し、をクリックします。
④Zabbixのサーバ名(任意の英数字)、タイムゾーン、テーマを設定し、「」をクリックします。
⑤設定項目の最終確認画面が表示されるので確認し、問題なければ「」をクリックします。
⑥「完了」ボタンをクリックするとZabbixのログイン画面が表示されます。
ユーザー名「Admin」、パスワード「zabbix」でダッシュボードにログインできます。
⑦ これでZabbixの初期設定は完了です。
【補足】グラフの文字化け対策
もしグラフ表示で文字化けが生じた場合は、以下の手順でIPAフォントを追加し、Zabbixで指定してやります。
IPAフォントをインストールします。
sudo apt install fonts-ipafont-gothic
ZabbixでIPAフォントを利用するためのシンボリックリンクを作成します。
sudo ln -s /usr/share/fonts/opentype/ipafont-gothic/ipagp.ttf /usr/share/zabbix/assets/fonts/ipagp.ttf
Zabbix設定ファイル(/usr/share/zabbix/include/defines.inc.php)を編集します。
sudo vi /usr/share/zabbix/include/defines.inc.php
【変更前】
define('ZBX_GRAPH_FONT_NAME', 'graphfont'); define('ZBX_FONT_NAME', 'graphfont');
【変更後】
define('ZBX_GRAPH_FONT_NAME', 'ipagp'); define('ZBX_FONT_NAME', 'ipagp');
関連ページ
Zabbixの使い方については以下ページにまとめています。
Ubuntuの使い方については以下ページにまとめています。
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